2011年8月1日、ニューヨーク外国為替市場で円高が進み、一時、1ドル76円前半に。
(8月2日午前5時時点で、1ドル77円前半)
・アメリカの債務引き上げの与野党合意案が、問題を先延ばししただけと見られていること。
・ドル安の根本的なところ(アメリカ経済の見通し。貿易赤字)が解決していない。
などが、原因と見られている。
【アメリカ連邦債務の引き上げ問題】
アメリカ連邦政府の債務の上限が、法律によって決められている。
(アメリカ連邦債務の法定上限)
現在(2011年7月26日)の法定上限は、14兆2940億ドル。
2011年5月16日に、連邦政府の債務が法定上限に達した。
法定上限を引き上げることが必要となったが、政府と議会が対立。
(債務の削減方法をめぐって対立)
(政府は増税を求め、下院で多数を持つ共和党は、大幅な歳出削減を求めた)
なお、5月16日以降、連邦職員の年金基金への拠出を一時的に停止し、債務不履行を回避してきた。
しかし、8月2日には債務不履行に陥ると予測されている。
(国債の利払いや償還資金が調達できなくなる)
7月31日、オバマ大統領は、債務の引き上げ問題で、与野党幹部が合意したと発表。
【主な円高要因】
1、ヨーロッパの信用不安
ギリシャに始まった信用不安が、ユーロ圏全体に波及。
ユーロ安から円高に。
2、アメリカ経済・財務が良くない
アメリカの貿易赤字額が高水準。
(原油価格の高騰などの原因で、5月の貿易赤字は502億ドル)
連邦政府の債務が巨額に。
3、日本当局の怠慢
機能不全に陥っている菅政権と、ノロマな亀の日銀。
円高が進んでも有効な対策が打てない。
4、他国の思惑
中国などが、リスク分散に動くと見られていること(ドル離れ)。
(2011年6月末で中国の外貨準備高は3兆1975億ドル。アメリカ国債とドル資産が中心)
5、マネーゲーム
「当分、ヨーロッパの信用不安が治まらない」
「アメリカ経済の立て直しに、時間が掛かる」
「日本当局は、有効な対策がとれない」
そう考えた投資家が、さらに円高が進むと読み、円を買っているため。