一応、一歩前進

2011年12月12日、週明けの東京株式市場・日経平均株価(終値)は、前日比+117.36円の8653.82円

9日、欧州連合(EU)首脳会議で、新たな財政協定が合意されたことを受けての上げ。

もっとも、
「財政協定に、イギリスが参加しない」
「(財政危機のための)IMFへの拠出金額(2千億ユーロ)が少ない」
「ユーロ共通債の導入を先送りした」
など、ヨーロッパの信用不安に対する対策を、「先送り」と見る関係者も多い。
(一歩前進なのは、事実だが…)

【主な株安要因】
1、ヨーロッパの信用不安
ギリシャに始まった信用不安が、イタリア、ポルトガル、スペインなどユーロ圏全体に波及。
この信用不安が日本の株式市場にも。

2、アメリカ経済・財務が良くない
アメリカの貿易赤字額が高水準。
(原油価格の高騰などの原因で、毎月の貿易赤字が500億ドル前後)
さらに、連邦政府の債務が巨額。
これらが、アメリカ株式市場の下落に。
そして、日本市場にも悪影響を。
(株安連鎖)

3、円高
ヨーロッパの信用不安、アメリカの景気悪化を受け、円高に。
円高は日本の輸出産業(自動車、電機など)の収益悪化となり、結果、輸出割合の高い企業の株が売られ、相場全体を下げることに。

4、現物市場への資金の流出
世界経済の悪化を受け、投資家が株式市場から、より安全な現物市場(金など)へ資金を移動させたため。