2012年3月23日、証券取引等監視委員会が、金融商品取引法違反の容疑で、AIJ投資顧問に対して強制調査に入った。
AIJは、企業年金の運用の失敗で1092億円の損失を出していたのに、高い利益を出していると顧客を騙していた。
今後は、公的機関(検察等も含め)による調査・捜査が進むものと見られる。
【AIJ投資顧問事件】
AIJは、厚生年金基金の運用を主要事業とする投資顧問会社。
(東京都中央区)
厚生労働省によると、AIJに運用を委託していたのは84企業年金。
同社は顧客に対し、240%の運用利回りを確保しているなどと説明。
(数字を粉飾した虚偽の資料で勧誘)
しかし、2012年1月の証券取引等監視委員会の検査によれば、運用資産の大部分が消失していることが明らかとなった。
*AIJ投資顧問事件の経緯や概要は、現在調査中のため、今後大きく変わってくることもあります。
【企業年金】
国民年金、厚生年金などの公的年金とは別に、企業と社員が積み立てる年金。
それ以外に、公的年金の厚生年金を借りて、運用している(厚生年金基金)。
自前の資金と分けるため、厚生年金から借りた資金を、代行部分と呼ぶ。
代行部分で運用に失敗した場合は、企業が穴埋めするなどの仕組みとなっている。
【証券取引等監視委員会】
金融庁に属する審議会等の一つで、証券取引や金融先物取引等の公正を守るために監視する。
(検査、指導する)
具体的には、金融商品取引法に基づき、金融商品取引業者等に対する立入検査、有価証券報告書虚偽記載などの犯則事件の調査、証券取引等の公正を確保するための行政処分の勧告、犯則事件の告発などを行う。