9千7百円台で、2月を終える

2012年2月29日、2月最後の取り引きとなった東京株式市場・日経平均株価(終値)は、前日比+0.72円の9723.24円。 
9千7百円台を確保して、2月を終えた。 

「日銀の10兆円が効いた」
2月を振り返って、市場関係者からは、そういう意見が。

2月14日に、日銀が市場に供給する基金を10兆円増やしたことが、円安の流れとなり、株価上昇につながったようである。

「通貨量のアップは、もともと言われていたが遅すぎる」
そういう意見も。

円高対策には『通貨量を増やす』ことと、専門家からも散々言われていた。
日銀の対応の遅さに、不満を漏らす人がも多いのも、当然かもしれない。 

とはいえ、1月末(8802.51円)から、900円を超える上昇となった。
(率にして10%の伸び) 

なお、為替は29日15時時点で、1ドル80円前半、1ユーロ108円前半の取り引きとなっている。
(東京外国為替市場) 

<日経平均株価の動き> 
2012年2月末…9723.24円 
2012年1月末…8802.51円 
2011年大納会…8455.35円 

<日銀の金融緩和。2/14発表>
今年の物価上昇率を1%に設定する。
市場に供給する基金の規模を、これまでより10兆円増やす。 

【主な株安要因】
1、ヨーロッパの信用不安 
ギリシャに始まった信用不安が、イタリア、ポルトガル、スペインなどユーロ圏全体に波及。
この信用不安が日本の株式市場にも。 

2、アメリカ経済・財務が良くない 
アメリカの貿易赤字額が高水準。
(原油価格の高騰などの原因で、毎月の貿易赤字が500億ドル前後)
さらに、連邦政府の債務が巨額。
これらが、アメリカ株式市場の下落に。
そして、日本市場にも悪影響を。
(株安連鎖) 

3、円高 
ヨーロッパの信用不安、アメリカの景気悪化を受け、円高に。
円高は日本の輸出産業(自動車、電機など)の収益悪化となり、結果、輸出割合の高い企業の株が売られ、相場全体を下げることに。 

4、現物市場への資金の流出
世界経済の悪化を受け、投資家が株式市場から、より安全な現物市場(金など)へ資金を移動させたため。