2012年3月13日、日本銀行の金融政策決定会合が開催され、宮尾委員(神戸大学経済経営研究所教授)が市場に供給する基金を、さらに5兆円増やすことを提案。
しかし、他の委員は反対し、否決された。
先月行われた金融政策決定会合では、市場に供給する基金を10兆円増やすことが決定。
その結果、為替相場は円安に動いた。
今回は見送られた形。
(先月、長期国債の買い入れ額を55兆円から65兆円に増やした)
(事実上、日銀による国債の買い入れで、これにより、日本の通貨量が10兆円増加)
「日銀は、現場をわかっていない」
そういう意見が経営者や専門家から。
先月の金融緩和策(10兆円の通貨量増加)は、為替(ドル円)を約3.5円、円安にした。
(1ドル77円後半から、1ドル81円前半に)
現在の為替1ドル82円前半でも、円高だという意見が強い。
(3月13日15時時点)
輸出産業を中心に、1ドル90円~100円が妥当との意見が多数でている。
円安に誘導することができる、もっとも有効な政策は通貨量を増加させることで、今回、5兆円の増加が見送られたことに失望する関係者も多い。
【日本銀行政策委員会】
日本銀行の最高意思決定機関。
原則として、月1、2回定期的に行われ、公定歩合の決定など日銀の政策を決定する。
総裁、副総裁(2名)、審議委員(6名)の計9名の委員で構成されている。
委員は、すべて内閣が任命し、任期は5年。
(任命には国会の同意が必要)
【日本の通貨量(2012年1月)】
(日本銀行発表・マネーストック速報)
・M3…1113.2兆円
・広義流動性…1458.4兆円
*M3…現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(譲渡性預金)
*広義流動性…M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行CP+国債+外債
*一般的には、日本の通貨量といえば「M3」。
*ただし、通貨量は「広義流動性」のほうだという意見も。